研究内容

 

 

代謝栄養学分野の研究は、栄養と代謝を大きなテーマとしながら、阪上グループ、原田グループ、堤グループに分かれてそれぞれの研究テーマで行なっています。各グループの研究内容は下記のとおりです。


阪上グループの研究

~肥満・糖尿病・メタボリック症候群に関する研究~

 肥満・糖尿病・メタボリック症候群の病態解明や新規治療法の開発を目的として、肥満に焦点を当てて研究しています(下図)。すなわちエネルギー過剰病態である肥満・糖尿病に対して、脂肪細胞・運動・栄養素などの観点から臨床応用可能な研究基盤の確立を目指しています。

 

1.脂肪細胞研究グループ・黒田グループ

 2型糖尿病の病態解明や新規治療法の開発を目的として、肥満に焦点を当てて研究しています。2型糖尿病の激増の主因として肥満症患者の増加が挙げられますが、脂肪組織を形成する主な細胞の一つである脂肪細胞の発生・増殖・分化機構、肥大化や細胞死制御機構の解明から脂肪細胞の生活史の全容を明らかとすることで、新たな肥満・糖尿病病態治療法の確立を目指しています(上図)。

 2.SPORTSラット研究グループ

☞ SPORTSラット研究会

 

アディポサイトカインなどの液性因子に着目して、中枢における運動制御機構の末梢シグナルの役割解明を目指しています。レプチン、アディポネクチン、グレリンの運動制御機構と標的部位を同定し報告しています。さらに高運動能を有するSPORTSラットに見出された新たな表現型に関しても、その分子機序の解明に取り組んでいます。

 

  ラット自発運動量測定装置

 3.脂肪酸研究グループ・升本グループ

 

脂肪酸の肥満病態に対する影響の検討に加えて、動脈硬化の発症における摂取脂肪酸の組成に着目しています。すなわちオメガ-3脂肪酸とは異なる新たな機能を有する脂肪酸を同定できたことから、臨床介入研究に取り組んでいます(下図)。

 


堤グループの研究

グループは別名「臨床チーム」とも呼ばれており、臨床現場での研究も多く行なっています。テーマは大きく4つで、大学院生を中心に研究を進めています。

1. 慢性関節リウマチにおける疾患性サルコペニアの栄養代謝とその機序解明

  これまでの当研究室での臨床データより関節リウマチ患者では体重は変化しないにも関わらず骨格筋減少が著しいことがわかってきました。またそういった患者さんの食事調査から、筋肉量減少は食事摂取量が少ない人ではなく、むしろ多く食べている人に見受けられることも明らかになってきました。現在は徳島大学病院呼吸器・膠原病内科および市内木下病院のご協力のもと、臨床データを得ながら、その機序については疾患モデルマウスを用いて研究を行なっています。

 

2.がん患者における味覚異常の機序解明とそれを改善する食品開発

 がん患者が放射線・化学療法中に生じる味覚異常は、食欲不振や体重減少、QOLの低下などに影響するだけでなく、治療の中断にもつながる深刻な副作用です。私たちはこれまでに徳島大学病院耳鼻咽喉科との共同研究で、化学療法中に生じる味覚異常に味覚受容体の発現変動が関係していることを報告しました(Tsutsumi et al.2015)。現在はその機序解明に取り組みつつ、他の疾患でみられる味覚異常と受容体の関係、これを制御する食品成分を用いた食品開発などを行なっています。

 

3.重症病態における代謝破綻とタンパク質投与の有効性の検討

 重症患者さんの栄養管理はその必要性が広く認識されている一方で、投与量や栄養組成、特殊栄養素の必要性などについては十分な根拠がないのが現状です。わたしたちは徳島大学病院救急・集中治療部の先生方と共に、患者さんのエネルギー代謝や体組成を評価しながら、重症患者の代謝や体組成の変化の特徴を捉えるとともに、これに対する効果的な栄養管理の検討を行なっています。

 

4.アミノ酸によるミトコンドリア機能制御機構

 アミノ酸とインスリンシグナルに共通するmTORに注目して、アミノ酸の新しい機能を見出すべく、細胞及び動物を用いて研究しています。

 

5.その他

 ・県内外の企業より多くの共同研究・受託研究を受けており、食品の機能性の検討や、新しい商品開発への貢献も行なっています。

 


筋イメージングの研究

 堤理恵助教をヘッドにして、ラボ横断的に研究グループを構築しています。

 

☞ 筋代謝とイメージング研究会